寒冷地で生まれた暖房システムであるセントラルヒーティング。日本ではまだあまり知られていませんが、暖房の周辺だけではなく「家全体」を暖めるという考えが根底にあるシステムです。ここではセントラルヒーティングについて詳しく紹介します。
日本で普及しているエアコンやストーブ、ファンヒーターなどの暖房機器は、部屋ごとに設置するのが一般的です。暖められるのは設置した部屋のみであり、部屋から出るときは暖房機器の電源は切っておく人が多いでしょう。一方で、セントラルヒーティングは家全体を暖める仕組みをとっているため、基本的に24時間作動。日本でも北海道ではセントラルヒーティングを取り入れているところがあり、新築戸建て住宅の場合は70~80%(※)がセントラルヒーティングを採用しています。
セントラルヒーティングの仕組みとしては、一カ所で生成した熱を各部屋へ送るというものです。熱源を一カ所に集中させることで、効率よく家全体を暖められることが可能です。輻射熱で家を暖めているのも特徴の一つであり、家全体で温度差が生じにくい環境を実現。輻射熱が持つ、電磁波により温度の高い物体から低い物体へ熱が伝わっていく仕組みを上手く活用しています。なお、電磁波が生じますが、この電磁波は電化製品から生み出された電磁波ではないので身体に害はありません。それどころか、物体の奥まで熱を伝えられるため、身体の芯まで温める効果があり、健康的とされています。
(※)参照元:日本ハウスホールディングス公式サイト(https://www.nihonhouse-hd.co.jp/column/centralheating/#:~:text=日本でも、セントラルヒーティング,を導入しています。)
セントラルヒーティングのメリット1つ目は、インテリアのデザイン性を損なわないことです。基本的に、パネルヒーターは一度設置した後はそのまま真夏の間まで使用せずに設置され続けるため、デザイン性の良いものがラインナップを彩っています。部屋のデザイン性を損なわないよう、オブジェのようなものやインテリアの一部としてなじみやすいものなど、さまざまなものが用意されています。ショールームを見学して見たり、カタログを取り寄せてみたりして、理想的なデザインを探すのも楽しいでしょう。
セントラルヒーティングのメリット2つ目は、比較的メンテナンスがしやすく、火災等が生じるリスクが低いことです。セントラルヒーティングの掃除はほこりを取る程度で良く、長く使用できるだけの耐久性を備えています。また、部屋を暖めるために火を使わないで良いのもメリットです。火災や火傷などの危険性が軽減され、子ども・高齢者のいる家庭には嬉しい特徴だといえます。
初期費用が高くなる点がセントラルヒーティングのデメリット。セントラルヒーティングを設置するためには、熱源を設置したり循環機器を屋内に張り巡らせたりなど、工事が必要な箇所が増えるため、設置工事は大がかりに。ストーブなども設置するとなるとより費用が高くなるほか、日数もかかります。とはいえ、耐久性に優れているので比較的メンテナンスが容易なのも特徴の一つ。一度設置してしまえば、長い目で見るとローコストともいえます。
北欧など寒い地域で取り入れられているセントラルヒーティングには、家全体を暖められるだけでなく、ほこりやアレルゲンが空気中に舞わなかったり、デザイン性を崩さないで設置できたりといった側面もあります。北海道などの一部地域でも導入されているように、セントラルヒーティングは日本でも導入可能です。なお、暖房機器のなかには、インテリアを邪魔しないセントラルヒーティングとは別に、存在感のある暖炉や薪ストーブなどもあります。理想のお部屋にマッチするデザインを探してみてはいかがでしょうか。
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