北欧ガーデンは「草原で楽しく草花を摘んでいる少女」や「森の中にたたずむ木造の家」といった、自然の中で営まれる穏やかな暮らしをイメージさせてくれます。スカンジナビアスタイルの家には、こうした自然の雰囲気を更に深めてくれるお庭があると理想的。ここでは、北欧ガーデンスタイルを取り入れるためのポイントを紹介します。
イングリッシュガーデンの影響を受けながら独自に変化してきた北欧ガーデン。すっと伸びた木や枝、北欧をイメージさせる色彩の草花とのバランスを取り、ありのままの自然を感じることができるお庭が北欧ガーデンの特徴です。手入れを行き届けることにより美しく整えられたイングリッシュガーデンとは少し異なっています。
豊かな自然に囲まれた北欧の国では、心地よい季節に屋外で過ごす時間を楽しむ生活スタイルが根付いています。高緯度に位置するため太陽光の届き方が日本とは違い、冬の日の出は朝9時頃。日中でも夕方のような弱い日差しが続きます。さらに雪の降る期間も長いため、太陽の光を浴びながら外で楽しむ時間はとても貴重。日照時間の短い北欧の国では少しの晴れ間も大切にし、お気に入りの庭で季節の風、花や緑を感じる様々な工夫を凝らしています。
晴れた日、思い立てばいつでも日光浴が楽しめるようにテラススペースを確保。夏にはバーベキューコンロを置いて調理から食事の時間まるまるを外で過ごし、家族や仲間と楽しみます。中には、テラスにジャグジーを取り付け、屋外でのバスタイムを過ごす人も。日差しのもとに広がる北欧のガーデンライフには、真似してみたいポイントがたくさんありますね。
北欧ガーデンでは風に揺れる優しい草花が一番に選ばれます。ラベンダー・ローズマリーなどアロマ効果のあるハーブ類、ブルーベリーをはじめとするベリー類。庭をやさしい雰囲気にしてくれるシルバーリーフのラムズイヤー。そのほかたくさんの小花でかわいらしさのあるジギタリス・カンパニュラ・草原で見られるマツムシソウなど可憐なお花がおすすめ。軽やかな印象を与えるライラックやハナミズキといった植物も、雰囲気を上げてくれそう。手軽に始められる鉢を使い、ハーブの寄せ植えから庭づくりをスタートさせてみてはいかがでしょうか。シンボルツリーとしてオリーブやシマトネリコを取り入れてみても、より一層素敵なお庭になりそうです。
北欧ガーデンは人工的に美しく整備した雰囲気よりも、野山での植物の姿をそのまま生かすというイメージに近いものですが、ただ植え付けだけすればいいのではなく、適度にお庭の手入れをしていく必要もあります。手入れを通して自然に触れる時間を日常的にとれるようになりそうですね。
アロマテラピーオイルとしても知られているラベンダーは、リラックスできる香りが特徴です。赤や黄色のような華々しい色ではなく、こっくりとした深い紫の色味もお庭の雰囲気にぴったり。ドライフラワーとしてお部屋に飾れば、インテリアとしても使えます。
お料理の仕上げに、庭で摘んできたハーブを散らすシーンにも憧れませんか?上に向かってすっくと伸びるローズマリーはガーデン素材としても人気。目で見て、舌で味わって二度おいしい植物です。
ジャムでおなじみのブルーベリー。北欧では、庭で育てたベリー類はそのまま食したり、ジャムにしたりして使います。緑の中に小さく実る赤や紫のベリーは想像しただけでもかわいらしく、素朴で愛らしいお庭を演出してくれそう。収穫するのも楽しめます。
高原に咲くスカビオサ。日本名はマツムシソウで、水色にも近い淡い紫色をした、ふわふわと柔らかそうな花を咲かせます。風に揺られるのが似合う可憐なお花です。種から育てられるので、気軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。春・秋の涼しい時期、お庭に彩りを加えてくれます。
青紫色をした、左右対称の5枚の花弁を持つ小さな花です。寒さに強い反面、暑さに弱いため、涼しい場所で育てるのがおすすめ。一度植えると、こぼれ種で増えていきます。
日光浴・外気浴、あるいは目隠しボードとして取り入れられるラティスに添えるお花といえばクレマチス。つる性植物で、花色は淡い白や青。地面だけでなく、壁面にも緑を這わせられるので、立体感のあるお庭が手に入ります。西日が苦手なので、直射日光を避けられる場所に植えましょう。
広めのお庭があるなら、樹木を植えるのもいいアイディアです。選ぶポイントは葉の大きさ。大きな葉を持つ観葉植物を置いてしまうと、雰囲気が南国に寄ってしまいます。オリーブのような、細く小さい葉を持つ植物がおすすめです。シマネトリコは光沢のある小さな葉が密集する木で、重く感じられない、軽やかな緑のまとまりを演出してくれます。
細かいシルバーリーフが北欧スタイルにマッチする、オリーブも人気です。常緑樹なのですべての葉が落ちることなく、季節が変わっても緑豊かなガーデンを保てます。シマネトリコ同様、地植えすると樹高は10mにもなるので、毎年の選定が欠かせません。鉢植えにすると、大きくなりすぎず手入れも楽になります。
レンガも、北欧ガーデンの雰囲気をアップさせる一つの素材。花壇の縁取りや植木鉢の台にレンガを使用してみましょう。新しいレンガも季節が巡るにつれて、マイガーデンに馴染んでいきます。
枕木は線路で使用されていた廃木材で、屋外での使用に合うように加工されています。コンクリートや石ではなく木材なので自然の雰囲気を出すのに一役買ってくれるでしょう。ガーデン内に敷き詰めるようにレイアウトする他にも、使い道がありそうな素材です。
北欧の冬景色を連想させてくれる白塗りの木製フェンス。フェンスに鉢植えをランダムに配置するだけでも、手軽に北欧ガーデンが出来上がります。
「シンプルでナチュラル」が基本の北欧ガーデン。植木鉢を置くのであれば、素焼きの陶器・ブリキ製・木製などの使用がおすすめです。ガーデニングの作業に必要なスコップやジョウロなども北欧風にこだわってみると、見た目はもちろんのこと、お庭の手入れをするときの気分も上がります。
敷地は狭いし、日光浴を楽しむのは無理だと諦めてしまっていませんか?庭で楽しむのに、広々としたテラスが必須というわけではありません。家のお庭の小さなスペース、バルコニーの片隅でも、木製のシンプルなテーブルセットやソファーをセッティングするだけで日光浴・外気浴でくつろげます。お花やグリーンを飾れば季節も感じられ、キャンドルのような小さな光を灯せば、日ごろの疲れを癒せるような安らぎの時間を過ごせるでしょう。
柔らかな陽光が注ぐ春はもちろん、夏は日陰を作り日差しを和らげて。秋には少し冷え始める空気の中、心地よい風を感じ、冬は温かくして静けさの際立つ空間を。太陽の光から元気をもらう、リラックスできる居心地の良い空間を楽しみましょう。
家族の安らぎの場所であるお庭に木や植物がたくさんあれば、自然と季節の移ろい、安らぎを感じられます。ベランダや狭い場所でもちょっとした小物を使用することで、北欧風ガーデンは気軽に演出できるもの。ガーデニングを楽しみながら、自分の思い描く北欧ガーデンを目指してみましょう。
北欧・スカンジナビアデザインの家づくりを手掛ける、群馬県高崎市の「シュガービレッジ」。スカンジナビアの豊かなライフスタイルを再現する「木枠の窓」や「漆喰の壁」など、他の住宅会社では見ることができない素材やデザインが魅力です。Navia編集部は、日本国内でも数少ない「スカンジナビアデザインを極める工務店」である同社に当サイトの監修を依頼しました。シュガービレッジの、「くつろぎとやすらぎの暮らし」をコンセプトにした住宅事例は、HPにも多数掲載。ぜひご堪能ください。