「北欧」と「スカンジナビア」。どちらもあわせて目にすることが多い言葉ですが、いったい何が違うのでしょうか?
基本的には同じと言えますが、よくよく見てみれば、含まれる国や地域の違い、歴史や文化の違い、さらにはインテリアデザインにおける違いもあります。
簡単にまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
「北欧」は聴き慣れた言葉ですが、「スカンジナビア」と言われると、ひょっとしたらパッとこないかもしれません。
地域としての「スカンジナビア」は、スウェーデン、ノールウェー、デンマークの3ヶ国によって構成されています。つまり、スカンジナビア半島の南部に位置する2カ国と、そこに海峡を挟んで隣接するデンマークが、「スカンジナビア」と呼ばれているわけです。
これは雑学的な話になりますが、「スカンジナビア」とは、ラテン語で「スカンジ島」という意味。「スカンジ」とはスウェーデン南部の地名ですから、ヨーロッパの北に属するデンマークから見れば、スカンジナビア半島は島に見えていたのでしょう。
ちなみに「北欧」は一般的に、スカンジナビアの3カ国に加えて、フィンランド、アイスランドの5カ国で構成されています。北欧5カ国は、海を超えたアイスランドや半島東北部のフィンランドが加わっていますから、より地理的にもより広範囲に渡ります。
スカンジナビア3カ国は、地理だけでなく、歴史的にも特に深いつながりがあります。
最初に定住した人類のルーツも同じですし、バイキングの時代やデンマークが中心となったカルマル同盟の時代など、長い間にわたって共存関係にありました。
そのため現在でも、ライフスタイルやデザインといったそれぞれの文化まで、なかなか見分けがつかない兄弟のように似通っています。
そういう意味では、アイスランドやフィンランドは、また別の文化圏と言われます。「北欧」として括られる国々のなかでも、より親密な3カ国が「スカンジナビア」なのです。
スカンジナビアの人たちは楽観的だとよく言われます。厳しい寒さの冬の日でもスキーなどを楽しんでいますし、天候が悪い日でも、「明るい色位のコートや暖かいブーツを身につければ、気分まで明るくなるよ」と言って、楽しんでいます。家づくりやデザインだけでなく、人柄も魅力的なのです。
世界的に愛されている北欧スカンジナビアのインテリアデザインですが、その特徴は、どのようなところにあるのでしょうか。
ざっくばらんにあげてみれば、シンプル・クリーンな印象、色鮮やかなイラストやパターン、シンプルな模様や曲線、淡いアースカラー、また機能性を重視することなどがあります。森が豊かな国ですから、ウッド素材を使用することも多いです。
いずれにしても、最も印象的なのは全体としての端正な美しさ。触れる人に、「すたれることがない、普遍的な感覚」をあたえてくれます。
北欧スカンジナビアのデザインは、そのすっきりとした端正なたたずまいから「余計なものがない」という印象をあたえてくれます。
家具も機能性を優先した控えめなデザインが多く、アートなどのデコレーションも最小限の装飾。
無駄を省いて本質を重視する、現代の「ミニマリズム」とも通じるものがあります。
スカンジナビアデザインの魅力は「生活のしやすさ」を大切にした家具やインテリアである、ということです。
冬場になれば1日の日照時間がわずか3時間しかない日もある北欧スカンジナビアでは、家のなかで過ごす時間が長いため、家具やインテリアといった日用品が使いやすくて、清潔感があることを大切にしてきました。だからこそ、暮らしやすさに寄り添うインテリアデザインが生まれてきたのです。
世界の他のインテリアデザインと比べたとき、北欧スカンジナビアについて特筆すべきことは、他にもあります。それは、北欧スカンジナビアの家具デザイナーは、同時に「家具職人でもある」ということです。伝統的に、家具工房に弟子入りするか、専門学校で家具製作をしっかりと学ばなければ、北欧スカンジナビアではデザイナーにはなれないのです。
こういった職人的な気質こそが、北欧スカンジナビアのインテリアデザインの高い機能性を支えているのです。
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スカンジナビアのインテリアや雑貨などを、暮らしのなかに取り入れるヒントもたくさん。
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